東京の「訪れるべき街」として2013年、吉祥寺とともにミシュラン・グリーンガイドにも紹介された下北沢。小田急線の地下化によってその中心部が大きく変化を遂げつつある今、未だ確定していない駅前の跡地利用など下北沢の未来への関心は高まっている。
下北沢の街づくりに関心を寄せる人たちが集まり“これからの下北沢”をテーマに語り合うイベントとして開催されているのが「green drinks下北沢」だ。「green drinks」とは、環境に関心のある人が、エコやソーシャルをテーマに食事やお酒を楽しみながら語り合う飲み会/パーティで、世界約600以上の都市で行われている。日本ではNPO法人「グリーンドリンクス・ジャパン」を核としてネットワークされ、全国各地で開催されている。
下北沢を拠点とする4つの地域メディアが集まるということで「green drinks下北沢 vol.2 地域メディアが複眼的に見る、今の下北沢」を取材した。開催されたのは4月15日、会場の「cafe kick(カフェ・キック)」には20~30代の若い世代を中心に、約40人の参加者が集まった。下北沢の地域メディア4媒体が個別にプレゼンテーションを行い、その後全員が登壇してのトークイベントという2部構成で行われた。以下、この日の登場順に紹介する。
「下北沢ブロイラー」(プレゼンター:佐藤蕗子さん)はSNSとしてスタートしたが、「音楽」「演劇」「映画/コメディ」「アート」「イベント」のカテゴリー別に“今週、下北沢のどのライブハウス/劇場で何が開催されているか”が一覧で分かる情報サイトとしてリニューアルした。網羅型の情報誌がない現在、こうしたタウンガイド的なメディアの存在は下北沢では有効だといえるだろう。
「I Love下北沢」(同:阿部達哉さん)は“下北沢を愛している!盛り上げたい!好きだ!と言う人達を繋いでいく地域密着型ソーシャルネットワーキングサイト”。商店街にも地道に入り込んでネットワークづくりを行っているのが魅力で、現在420件以上の店舗の情報を掲載、ショップ情報やクーポンなども提供している。ファッションショー「シモキタコレクション」や2万人を動員した「下北沢カレーフェスティバル」イベントも開催し、注目を集めている。
「ぶらり下北沢」(同:鍛治川直広さん)は下北沢中心部から池ノ上、東北沢、新代田、世田谷代田なども含む“広域下北沢エリアの活性化”をテーマに、カフェ、古着、雑貨などのショップやイベントなど、下北沢の情報を扱うポータルサイトだ。サイトを運営する「合同会社ぶらり」は商店街のコンサルティングなども手がけており、気仙沼との下北沢の間で生産地-消費地を結ぶ地域間事業を仕掛けるなど、エリア内にとどまらない活動を展開している。
「下北沢経済新聞」(同:小川たまか編集長)は「みんなの経済新聞ネットワーク」の下北沢エリア版で、2006年8月にスタート。全国に向けて下北沢エリアの情報を発信する役割を担っている地域ニュースサイトだ。下北沢駅の地下化は全国に流通した久しぶりのニュースだったが、同サイトの記事が日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」のトップページにニュース・トピックスとして掲載され、話題となった。