2013年5月に中野セントラルパーク(中野区中野)で開催された屋外イベント「太陽と星空のサーカス」は、中野駅北口に生まれた広大なスペースでの開催と、映像シアターやライブ、飲食、蚤の市などジャンルを超えた独自の編集感覚の魅力で注目を集めた。その後池袋パルコ屋上「ソラパルコ」や「千葉・草原のこころファーム」(千葉県市原市)などでのキャラバン(巡回開催)を行ってきたが、この10月18日(金)から20日(日)の3日間、中野で第2回目を開催する。
“太陽と星空のもと、大人と子どもが同じ目線で遊ぶことができるイベント”というコンセプトの「太陽と星空のサーカス」は、2012年秋に豊洲「WILD MAGIC」で第1回目を開催。中野での開催はJR中野駅前の警察大学校の跡地約16万8000平方メートルが再開発された中野セントラルパークへの注目とも相まって、3日間で3万人を超える動員があった。会場は「中野四季の森公園」とも隣接する完全なオープンスペースで、この数字はカウントできた限界の値だという。実際に会場で見た印象からしても、実動員はもっと大きかったと考えていいだろう。
会場内に設置された大きなテント(アルカンザス)の「太陽と星空のシアター」では、オリジナル短編映画「太陽と星空のサーカス」など国内外の短編映画を上映。作品だけではなく、映画を映写する環境そのものも一緒に楽しむことができるのは野外上映の醍醐味だ。さらに「星空の楽団」(ライブ)、「星空の劇団」(パフォーマンス 他)、「遊ぶの教室」 (ワークショップ)、「ワンダーバザール」(蚤の市)、「YUM YUM MARKET」(フードマルシェ)など、ショップやイベントの内容は多岐にわたっている。
フードマルシェや蚤の市の顔ぶれを見てみると、アウトドアやヨガ、ヴィーガンフード、サードウェイブ・コーヒーなどオーガニック/ナチュラル/エコロジカルな指向がうかがえる。しかし一方で、書籍などの都市型カルチャーも網羅されている幅の広さが面白いところ。ワークショップなど親と子が一緒に楽しめるコンテンツも多く、消費をしなくても時間を過ごせるのは魅力的だ。子供連れでも居心地がいいスペースであったこともあり来場客は若いファミリーの姿が目立っていたが、近隣住民や学生、それぞれの出演者/出店者についている目的客まで、年齢/性別はさまざまであった。
「太陽と星空のサーカス」の出店者や出演アーティストは、全て主催団体と何らかのつながりを持つクリエイターばかりという。多様なジャンルの出店者を集めながら、全体に編集感が感じられるはそのためだろう。
フードマルシェや蚤の市の顔ぶれを見てみると、アウトドアやヨガ、ヴィーガンフード、サードウェイブ・コーヒーなどオーガニック/ナチュラル/エコロジカルな指向がうかがえる。しかし一方で、書籍などの都市型カルチャーも網羅されている幅の広さが面白いところ。ワークショップなど親と子が一緒に楽しめるコンテンツも多く、消費をしなくても時間を過ごせるのは魅力的だ。子供連れでも居心地がいいスペースであったこともあり来場客は若いファミリーの姿が目立っていたが、近隣住民や学生、それぞれの出演者/出店者についている目的客まで、年齢/性別はさまざまであった。
「太陽と星空のサーカス」の出店者や出演アーティストは、全て主催団体と何らかのつながりを持つクリエイターばかりという。多様なジャンルの出店者を集めながら、全体に編集感が感じられるはそのためだろう。
8月3日(土)・4日(日)には、この「太陽と星空のサーカス」のキャラバン(巡回開催)が池袋パルコ(東京都豊島区)屋上イベントスペース「SORA PARCO(ソラパルコ)」で開催された。「太陽と星空のシアター」が芝生の植栽部分に設置され、ライブステージ「星空の楽団」にはDaniel Kwon、ランタンパレード、ミツメ、KANEKO HIDESHIなどがライブパフォーマンスを行った。「ワンダーバザール」では、アクセサリーや帽子、陶器、アウトドアウェア、コスメなど13ショップが出店した。
池袋という大ターミナルの真上でありながら、見上げれば遮るものが何もないという環境は、中野セントラルパークとはまた異なる魅力を持つ“都市の空き地”だといえる。池袋パルコの屋上は、かつて毎年夏にビアガーデンとして解放されていた場所で、2013年夏から新たに「ソラパルコ」としてリニューアルオープンしたスペース。野外フェスのようなにぎわいの後ろに大型のネオンサインが光る風景には独特の魅力があった。
「太陽と星空 LLP」代表の小林宏明さんに、池袋パルコでの開催時に話を聞いた。
「もともと音楽関係の仕事から飲食店などを手がけるようになったんですが、まず先にコンセプトありきという形で仕事をしたことはないんです。まず先に魅力的な場所があり、それに合わせてどんなことをしたらいいか、サイトスペシフィックに企画を組み立てていくスタイルですね。「太陽と星空のサーカス」を今後どこに持っていったら面白そうかと考える中に、ビルの屋上も候補の一つとしてありました。そこにちょうど池袋パルコさんからお話をいただいたんです」
池袋という大ターミナルの真上でありながら、見上げれば遮るものが何もないという環境は、中野セントラルパークとはまた異なる魅力を持つ“都市の空き地”だといえる。池袋パルコの屋上は、かつて毎年夏にビアガーデンとして解放されていた場所で、2013年夏から新たに「ソラパルコ」としてリニューアルオープンしたスペース。野外フェスのようなにぎわいの後ろに大型のネオンサインが光る風景には独特の魅力があった。
「太陽と星空 LLP」代表の小林宏明さんに、池袋パルコでの開催時に話を聞いた。
「もともと音楽関係の仕事から飲食店などを手がけるようになったんですが、まず先にコンセプトありきという形で仕事をしたことはないんです。まず先に魅力的な場所があり、それに合わせてどんなことをしたらいいか、サイトスペシフィックに企画を組み立てていくスタイルですね。「太陽と星空のサーカス」を今後どこに持っていったら面白そうかと考える中に、ビルの屋上も候補の一つとしてありました。そこにちょうど池袋パルコさんからお話をいただいたんです」
「空を見上げる場所」を求めて旅をしながら変化を続けるのが「太陽と星空のサーカス」の魅力である。これは都市型フェスに限定されたものではなく、2013年夏には“自然を通して生き方を学ぶ酪農教育ファーム”「千葉・草原のこころファーム」(千葉県市原市)に7月14日〜8月19日の期間限定で星の集まるキャンプ場「一番星ヴィレッジ」をオープンした。
東京から車で約70分の場所にある東京ドーム約13個分という広大な敷地面積の牧草地で、直火、オートキャンプ、ペット全てOK。通常のキャンプ場としての機能に加えて、太陽と星空のサーカスがプロデュースするワークショップや体験型プログラムなどを用意し、さらに携帯も全キャリア受信可能など、都市型フェスを経由したコンテンツとホスピタリティが盛り込まれていることもポイント。8月16日(土)17日(日)の2日間には「太陽と星空のサーカス」も開催された。
自然環境と音楽を同時に楽しむことができる夏フェススタイルは、アウトドア・カルチャーの活性化につながり、オーガニック・フードなどのサステナブル・ライフにも広がりを見せてきた。これがスローで上質な都市型ライフスタイルへと接続した一つのかたちが「太陽と星空のサーカス」だと言えるだろう。10月12日~14日には恵比寿ガーデンプレイスで開催された「恵比寿文化祭」にキャラバンを行うなど、場所に合わせてフレキシブルに変化を続けている。2度目の中野セントラルパークでの開催も、改めて大きな注目を集めそうだ。
【取材・文: 本橋康治(コントリビューティングエディター/フリーライター)+ACROSS編集部 】
東京から車で約70分の場所にある東京ドーム約13個分という広大な敷地面積の牧草地で、直火、オートキャンプ、ペット全てOK。通常のキャンプ場としての機能に加えて、太陽と星空のサーカスがプロデュースするワークショップや体験型プログラムなどを用意し、さらに携帯も全キャリア受信可能など、都市型フェスを経由したコンテンツとホスピタリティが盛り込まれていることもポイント。8月16日(土)17日(日)の2日間には「太陽と星空のサーカス」も開催された。
自然環境と音楽を同時に楽しむことができる夏フェススタイルは、アウトドア・カルチャーの活性化につながり、オーガニック・フードなどのサステナブル・ライフにも広がりを見せてきた。これがスローで上質な都市型ライフスタイルへと接続した一つのかたちが「太陽と星空のサーカス」だと言えるだろう。10月12日~14日には恵比寿ガーデンプレイスで開催された「恵比寿文化祭」にキャラバンを行うなど、場所に合わせてフレキシブルに変化を続けている。2度目の中野セントラルパークでの開催も、改めて大きな注目を集めそうだ。
【取材・文: 本橋康治(コントリビューティングエディター/フリーライター)+ACROSS編集部 】
太陽と星空のサーカス
◯会期:10月18日(金)~ 10月20日(日)
◯開場 12:00 終演 20:00
◯会場:中野セントラルパーク
東京都中野区中野4丁目
◯アクセス:中野駅北口から徒歩約5分
◯入場料:無料
■星空の楽団:Daniel Kwon/松本“YAO”義行/青谷明日香/VIDEOTAPEMUSIC/Ryu Konno 他
■星空の劇団:E KU DA in SUN AND STAR CIRCUS/太陽と花の写真館 by sai photograph 他
■遊ぶの教室 (ワークショップ):ハイパーニットクリエーター力石咲/LCF/ナカオ☆テッペイ/はらぺこめがね/MERRY/ナデシコブルックリン/100 mermaids workshop/t-shirts.co.jp/hahacolab/LAUGH AND MAKE/HAPPY MONSTER ecomate × natucopaint 他
■ワンダーバザール(蚤の市): 温故知新/KIGHI/BOOK TRUCK/ピリカタント書店/herumana/小林白兵衛/Adachi Yukari/ANONYME/Mountain Mania/指先から色色からぴんこ/amabro/H TOKYO/chahat/matureha./sayap/CHACO/えほんやるすばんばんするかいしゃ/北窯 読谷焼/ReAngle/GLWW/CUCU/AURA/MARLMARL/青空やうひんてん/ANTIQUE WORRRIORS/itomono/嘉手 重広 他
■YUM YUM MARKET(FOOD):GENERAL FOOD SUPPLIES/SALT & SOIL EATERY & DELICATESSEN/IFNi ROASTING & CO./Tokyo Acarajé & Tapioca/フルタヨウコHOME./PARADICE ALLEY BREAD & CO./ハイジ/野毛山カレー食堂/GRANNY SMITH APPLE PIE&COFFEE/kinaco/ナタ・デ・クリスチアノ/ていねいな時間/青果ミコト屋/SOPO/PEPE/三日月/カノムパン/HIGU BAGEL & CAFE/北川ベーカリー/クル/TAKIBI BAKERY 他