これまでのコレクションで好評だった型の白地の服を約30着用意し、コレクションの残布やサンプルなどで購入したデッドストックなど約150種類から選べるセミオーダーライン「Wallflower by Jun Okamoto」も展開。
2008A/Wより熊本では展開している障害を持った方たちの織る『さをり織り』や、障害を持った方たちの描く絵とのコラボレーションラインも東京で販売する。
——代官山の東京ストア、なんか岡本順さんが住んでいそうな雰囲気ですね。
今まで10年近くブランドをやってきて出会った人やもの、記憶だったり、これまで支えてきてくれた人たちと共有したいという思いからお店を作りました。なので、皆でわいわい集って食事が楽しめる「キッチン」のような空間にしたかったんです。
——内装は建築家の谷尻誠さんと創作家の長谷川直子さんが手掛けられていますね。
2011年に故郷の熊本にオープンしたお店は、外装から内装まで全て自分の手で作って、とても気に入っているのですが、東京のお店はそれとは違う雰囲気にしたかったんです。ファッションショーは様々なプロの力を借りて一緒に作り上げるものですが、そんなイメージでその道に長けた方とキャッチボールを楽しみながら作りたいと思いました。長谷川さんとは長年の友人で、谷尻さんは長谷川さんにイメージを話したら「それなら谷尻君がぴったりかも」ということで紹介されました。
東京という場所は独りよがりではない客観的な視点が必要だと思うので、3人の相乗効果みたいなものを期待していましたが、結果的に上手くいったと思います。でも、やっぱり自分が住んでいそうな雰囲気になっていますよね(笑)。
——商品展開はどんなかんじですか?
ジュン オカモトのレディース、メンズの全ての商品を揃えるのはもちろんですが、セレクトしたバッグ、シューズ、iPhoneケース、「モレスキン」のノート、「ランド バイ ランド」のキャンドルなども展開します。以前、コレクションにも良く用いていた「さをり織り」のクッションや、セミオーダーメイドライン「ウォールフラワー バイ ジュンオカモト(Wallflower by Jun Okamoto)」も展開します。
——セミオーダーメイドとはどのようなサービスなのですか?
これまでのコレクションで好評だった型の白地の服を30着ほど並べていて、お客様だけの好みの1着を作ることができるサービスです。生地はコレクションの残布やデッドストックなど約150種類から選べます。熊本でも同じサービスをしていて、幸いにも好評なので、東京でもやってみることにしました。今はただコレクションを並べるだけでは直営店の運営は難しい時代なので、お店に足を運んでもらえるきっかけになればと……。時間のかかる作業ですが、そのアナログさがかえって新鮮だし、自分だけの1着ということでお客様の満足度も高いのではないかと思います。
——お店の奥のスペースはちょっと隠れ家的な雰囲気がありますね。
そうですね。今は在庫を置いたりしていますが、いずれはキッチンのコンセプトに沿って、週末限定でパンとかコーヒーを出せたらいいですね。今はまだ夢想段階ですが、食との関わりは自分にとって大切なので。