アンリアレイジやケイスケカンダとの仕事で注目を集めるプロダクト内装デザインチーム「MUDSSNAIL(マッドスネイル)」がレディスシューズ/アクセサリーのブランド「Surface Dive」をスタート。2014年6月、その第1回展示会がぴゃるこ(渋谷パルコPART1・4階)で開催された。代表の藤本有輝さんを中心に開催されたトークイベントの模様とともに紹介したい。
今回発表されたコレクションはレディスシューズ4型、アクセサリー7種類。いずれも3Dモデリングの技術を用いて製作されたもので、2次元のデザインを3次元に拡張することをテーマとしている。
パンプスのラインには「Depth of Pattern」というネーミングが施されているように、ヒールやアッパーにストライプやペイズリー、花柄などのデザインパターンが独自の奥行きで立体化されている。価格帯はシューズが25000円から37,000円、アクセサリーが6000円から33000円。グローバルファッションEC「KIEI Tokyo」で販売されるほか、実店舗ではこの「ぴゃるこ」などで順次店頭に並んでいく予定だ。
MUDSNAILは2006年にプロダクト内装デザインチームとしてスタートし、ファッションや音楽をはじめ様々な分野で活動を展開してきた。インテリアからファッションブランドの展示会における展示制作、ボタンなどの服飾資材からアクセサリーまで幅広く手がけている。
MUDSNAILのクリエイションに注目が集まった大きなきっかけは、ケイスケカンダとアンリアレイジという国内屈指の若手ファッション・クリエイターとの数々の仕事だった。例えばアンリアレイジの「wideshortslimlong」コレクション(2012年A/W)で用いられた特殊サイズのマネキンや「低解析度=LOW」をデザイン表現したシューズ、「keisuke kanda」の女子用プラモデルや「洋服でデキた四畳半和室」などはそれぞれのブランドのファン以外にもインパクトを与えた。
そして2012年に東京オペラシティで開催された大型展覧会「感じる服 考える服:東京ファッションの現在形」(ACROSSでのレポートはこちら)、2013年の「IFF」といった外部での展示機会が増えたことで、藤本さんの創りだすクリエイティブに注目が集まっている。
3Dプリンターだからこそ造形可能な自由度の高いデザインに加えて、石膏や金属、樹脂、繊維など様々な素材のポテンシャルを活かし、複雑なプロダクトや立体形を創り出すことができる技術力が藤本さん/MUDSNAILの魅力である。
2014年6月11日には「ぴゃるこ」展示会会場でトークイベントが開催された。MUDSNAIL代表の藤本有輝さんを中心に、アンリアレイジの森永邦彦さん、音楽評論家の吉見佑子さん、スタイリストでぴゃるこを運営する山口壮大さんを迎え、ACROSS編集長の高野公三子がモデレートを担当。これまで藤本さんと仕事やプライベートで関わりのある面々が、藤本さん/MUDSNAILのクリエイションのバックグラウンドにあるファッションや音楽など、プライベートも含んだエピソードを紹介した。
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