原宿とんちゃん通りは、いわずと知れた東京を代表する「古着ストリート」のひとつである。しかし、ここ数年、“古着に関する世代交代”の波が押し寄せているようだ。
きっかけは、“ヴィンテージ”と呼ばれる1980年代後半の渋カジ以降に定着した“絶対的な古着の価値観”に変わり、80〜90年代の“レギュラー古着”を、“感覚で買うライトな価値観”が一般化してきていることへの気づきからだった。
その主な担い手は90年代生まれの「新人類ジュニア世代」だ。彼・彼女らがよく利用している古着ショップは、「OTOE(オトエ)」や「KINCELLA(キンセラ)」のほか、弊誌でも、「10-9(トーク)」や「Sullen Tokyo(サレン トウキョウ)」、「PINNAP(ピンナップ)」などで、弊サイトでもたびたび取材してきた。
“ライト感覚の古着屋”の台頭は、従来型の中庸な古着屋の閉店やMDの変更を牽引する。原宿の古着文化を長らく牽引してきた老舗古着店「VOICE(ヴォイス)原宿」が3月で閉店したのはその象徴ともいえるだろう。
そんなとんちゃん通りの真ん中付近に、3月末、古着と新品服や雑貨をミックスしたショップ、「stand(スタンド)」がオープンした。運営するのは、2008年にオープンした古着屋「KINCELLA」の山上達生さん、アパレルブランド「ATENOY(アテノイ)」と「ワンピースとタイツ」を手掛ける米田年範さん、靴下ブランド「poem by rabbit(ボエムバイラビット)」のデザイナー、鈴木恵太さんの3人だ。
早くから80’s古着に目を付け、“ライト感覚の古着屋”黎明期からシーンを牽引してきた「KINCELLA」が2013年12月末、地下1階から1階に移転することになり、その空いた地下1階に、“何か新しい店”を始めてみよう、ということになったのだという。