去る7月9日(木)、ファッション業界とIT業界が“MUSH UP”することでファッションの未来を考えるNYで始まったインターナショナルなイベント「Decoded Fashion(デコーデッド・ファッション)」が、ロンドン、ミラノに続いて東京でも開催され、約400人が参加した。会場となったのは東京アメリカンクラブ。協賛はコンデナスト・ジャパンだ。
2、3年ほど前からだろうか。ファッション業界では、「ファッション×デジタル/IT」をテーマにしたシンポジウムや研究会や学会などの開催が目立ってきた。筆者が「Make:」が東急ハンズの渋谷店で静かに催事(POP UP SHOPともいえないような規模)に出会ったのは2011年2月のこと。「定点観測」でも手づくりをする若者が増え、「進化するDIYファッション&カルチャー」と題して幣誌や他誌に原稿を書いたのは2012 年12月のことだった。そういえば、2012年に慶応義塾大学情報環境学部の水野大二郎准教授(当時は講師)やNPO法人ドリフターズインターナショナルの金森香さんらが中心で始まった勉強会「ファッションは更新できるのか?会議」は、その後、さらに取材を重ね、今月末「人と服と社会のプロセス・イノベーションを夢想する」という副題の単行本が上梓されるという。
そんななか、2014年9月、カルチャーマガジン『WIRED日本版』が、「Fashion Decoded〜ファッションはテクノロジーを求めている」と題したファッション特集号を発売。さっそく2冊購入し(1冊は社内回覧用)、記事を担当した友人の編集者にコンタクト。「ファッション・デコーデッドって何?」ということから、いかにアメリカのファッション業界がIT業界とタッグを組み、ふつうにビジネスになっているのか、日本のファッション業界がいかに遅れているか、さらに、同プロジェクトを立ち上げた女性、Liz Bacelar(リズ・バセラー)がとにかく魅力的!といったエピソードを聞き、この新しい“ファッション・ハッカソン”のためのプラットフォームがNYで誕生したことにワクワク。しかも、ロンドン、ミラノに続き、今夏、日本に上陸するというのでさっそく取材した。