2013年秋冬より毎年2回実施している「定点観測in NYC」。その第5回目を、去る2015年11月28日(土)に実施した。その前後のプレサーベイの結果を含み、“2015年AWのNYのストリートファッションのまとめ”とした。
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◎カウントアイテム:男性/女性ショート丈ブーツ
NYの定番アイテムといえばスニーカー。2013年10月に「NIKEのスニーカー」や 2014年11月に「ワントーンカラー・スニーカー」と、これまでもニューヨークのスニーカーブームを取り上げてきたが、今季ニューヨーカーたちの足元は一転。男女ともにレザーのショートブーツが急増しているので、「カウントアイテム」とした。
定義は、丈がヒザと足首の中間程度よりも短いブーツすべて。素材や色、デザイン、ヒールの有無は問わない、とした。
同日の13時30分〜14時30分の1時間、Prince Street(プリンスストリート)とMercer Street(マーサーストリート)の交差点、ブロードウェイ方向からアップルストアへ向かってくる南西の角を通る人全てをカウントした。結果は以下の通り。
カウント結果
●通行人数:2,110人
男性合計: 990人(46.9%)
女性合計:1,120人(53.0%)
●カウントアイテム:男性/女性ショートブーツ
男性:53人(5.3%)
女性:162人(14.4%)
春夏はスニーカーを着用していた(と思われる)女性の多くが、冬が近づくにつれ、足首までしっかり保護・保温できるブーツに着替えたということだろうか。チャキチャキと足早に歩く彼女たちの間で主流となっていたのはローヒールの靴。デザインはチェルシーブーツやワークブーツといったシンプルなものが多く、CELINE(セリーヌ)やStella McCartney(ステラ・マッカートニー)が提案するようなミニマルなデザインが、“カワイイ”よりも“クール”な印象のニューヨークの女性には支持されていた。
一方、男性の間で目立っていたのは、レースアップブーツ、チェルシーブーツ、カウボーイブーツの3種類だ。レースアップブーツを着用しているグループは、余裕のあるワイドなシルエットかややルーズなシルエットを好む人が多く、ツーブロックにヒゲを蓄え、着用するアイテムもRALPH LAUREN(ラルフローレン)やFILSON(フィルソン)といったアメリカントラッドなブランドなど、クラシカルで男らしいスタイルが見られた。ファッション感度の高い層に着用されていたのは、細めのチェルシーブーツだ。Saint Laurent(サンローラン)のランウェイでみられるようなスキニーパンツを合わせたロックなコーディネートの他、キャップやパーカー、トレンドのダメージパンツといったカジュアルなアイテムを合わせ、ニューヨーク流の“気取らないグランジファッション”を作り上げていた。カーボーイブーツを着用していた年齢層が高めの男性たちは、合わせるのもカーボーイハットやブルーデニムのブーツカットジーンズといったウエスタンなアイテムで、生き様のようなポリシーを感じるようなスタイルが見られた。
◎ズームアップアイテム1:ひざ下丈のロングコート
昨年の同時期には「MA-1」ジャケットを取り上げたが、今季はひざ下丈のアウターが浮上していた。中でも目立っていたのは、チェスターコートとビックシルエットのガウン風コートの2種類だ。
男性は、トレンチコートのような薄手のコットン生地で、丈はひざ下丈くらいのものに足下はスニーカーというベーシックなスタイルが多かった。
一方、女性のコートは丈感もスタイルも幅広く、丈感はひざ下〜足首まで届く程のスーパーロングのものまでと、また、ヒールを合わせたオンスタイルから、スウェットやスニーカーを合わせてそのままジムやヨガスタジオに向かうようなニューヨーカーの日常スタイルまで多様だった。
ファッション好きのグループは、ボリュームのあるロング丈アウターが主流。先日BALENCIAGA(バレンシアガ)のデザイナーに就任したDemna Gvasalia(デムナ・ジバサリア)が手掛ける新鋭ブランド「VETEMENTS(ヴェトモン)」の提案するようなオーバーサイズなシルエットを早速取り入れていた。
男性は、トレンチコートのような薄手のコットン生地で、丈はひざ下丈くらいのものに足下はスニーカーというベーシックなスタイルが多かった。
一方、女性のコートは丈感もスタイルも幅広く、丈感はひざ下〜足首まで届く程のスーパーロングのものまでと、また、ヒールを合わせたオンスタイルから、スウェットやスニーカーを合わせてそのままジムやヨガスタジオに向かうようなニューヨーカーの日常スタイルまで多様だった。
ファッション好きのグループは、ボリュームのあるロング丈アウターが主流。先日BALENCIAGA(バレンシアガ)のデザイナーに就任したDemna Gvasalia(デムナ・ジバサリア)が手掛ける新鋭ブランド「VETEMENTS(ヴェトモン)」の提案するようなオーバーサイズなシルエットを早速取り入れていた。
◎ズームアップアイテム2:ワイドブリムハット
2〜3年ほど前から徐々に増え、女性の間ではマスマーケットにも浸透しているアイテムだが、今季に入り、ストリート系ブランドを好む層までもがキャップやニット帽からハットにチェンジ。ファッション感度が高めの男性たちにもふつうに取り入れられている。
男女ともに多かったのが、イタリアの老舗帽子ブランド「Borsalino(ボルサリーノ)」を代表とするクラシックな中折れ帽で、色はブラックやブラウン、ネイビーやベージュ等のベーシークカラーが主流となっていた。といっても、他のアイテムもクラシックで統一するわけではなく、無造作にスニーカー合わせて遊び心あるスタイルがニューヨーカーらしい印象だった。
女性に比べ着用率は低いものの、男性の間では、リュックやスニーカーを合わせたストリートミックス・スタイルの他、ファッション高感度の一部の層ではブルーやグレーといった明るめハットをコーディネートの主役にしたスタイルが見られ、黒が基調となっているニューヨークのストリートではひと際目立っていた。
男女ともに多かったのが、イタリアの老舗帽子ブランド「Borsalino(ボルサリーノ)」を代表とするクラシックな中折れ帽で、色はブラックやブラウン、ネイビーやベージュ等のベーシークカラーが主流となっていた。といっても、他のアイテムもクラシックで統一するわけではなく、無造作にスニーカー合わせて遊び心あるスタイルがニューヨーカーらしい印象だった。
女性に比べ着用率は低いものの、男性の間では、リュックやスニーカーを合わせたストリートミックス・スタイルの他、ファッション高感度の一部の層ではブルーやグレーといった明るめハットをコーディネートの主役にしたスタイルが見られ、黒が基調となっているニューヨークのストリートではひと際目立っていた。
<全体のまとめ>
徒歩やシティバイクで移動し、日常的にジムでワークアウトをこなす健康志向が高いニューヨーカー。スタイルに関係なく足下はスニーカーであるということが、この街の代名詞にまでなってきているように感じるが、今季はファッション感度の高いグループを中心にショートブーツが急増。男性の間では、スキニージーンズにチェルシーブーツを合わせたSaint Laurent(サンローラン)を意識したような細身のシルエットのスタイルがストリートでも浮上。女性たちは、スニーカーのように快適だがスタイリッシュな印象のフラットやローヒールのブーツに着替えるなど、スニーカーに変わる新たなトレンドを模索し、実践している印象だった。
とは言え、スニーカーの人気も健在。ズーム1「ひざ下丈のロングコート」やズーム2「ハット」のようなクラシカルなアイテムにスニーカーでヌケ感を出したコーディネートも多くみられた。女性はadidas(アディダス)のクラシックなStansmith(スタンスミス)のモデル、10代~20代のストリート系の若者はNIKE(ナイキ)のAIR JORDAN(エアジョーダン)、スタイリッシュなシルエットを好むシティボーイはNIKE(ナイキ)のRoshe(ロシェ)、プレミア好きの"HYPE"なグループはこぞってKANYE WEST(カニエ・ウェスト)×adidas(アディダス)のコラボモデル「YEEZY BOOST(イージーブース)」350を着用しており、先日発売されたブーツタイプのモデル「同950」も新たなスタイルを加えることになりそうだ。
日本と比べ流行の変化は緩やかだが、やり尽くされた後の“気取らないことがカッコいい”=ノームコア・スタイルに飽きてしまったニューヨーカーたちによる新たなスタイル出現の兆しを感じた今回の定点観測であった。
[取材/文:宮本諒(RYO MIYAMOTO)+アクロス編集部]
※今回のスナップ/アーカイブ記事は下記リンクからもご覧頂けます。
とは言え、スニーカーの人気も健在。ズーム1「ひざ下丈のロングコート」やズーム2「ハット」のようなクラシカルなアイテムにスニーカーでヌケ感を出したコーディネートも多くみられた。女性はadidas(アディダス)のクラシックなStansmith(スタンスミス)のモデル、10代~20代のストリート系の若者はNIKE(ナイキ)のAIR JORDAN(エアジョーダン)、スタイリッシュなシルエットを好むシティボーイはNIKE(ナイキ)のRoshe(ロシェ)、プレミア好きの"HYPE"なグループはこぞってKANYE WEST(カニエ・ウェスト)×adidas(アディダス)のコラボモデル「YEEZY BOOST(イージーブース)」350を着用しており、先日発売されたブーツタイプのモデル「同950」も新たなスタイルを加えることになりそうだ。
日本と比べ流行の変化は緩やかだが、やり尽くされた後の“気取らないことがカッコいい”=ノームコア・スタイルに飽きてしまったニューヨーカーたちによる新たなスタイル出現の兆しを感じた今回の定点観測であった。
[取材/文:宮本諒(RYO MIYAMOTO)+アクロス編集部]
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