「パルコでやるんですか?」「いえいえ、Hikarieとか今回は、表参道ヒルズとかで朝から晩まで毎日約1週間ランウェイショーやインスタレーションがあるんですよ」「へー、そうなんですね。見てみたいなあ!」
これは、先月の「定点観測」で出会った若者(25歳/会社員)にインタビューしたときに交わした会話だ。
今年も、2016年/17年秋冬シーズン向けのファッションが、公式スケジュールで合計54のブランドが、渋谷を中心とした会場で披露される、「東京ファッションウィーク」が始まったが、残念ながら知らない若者も少なくないようだ。
ということで、本誌の読者対象は決してファション業界の人に限っていないので、今日から1週間、ファッション業界外の方にもわかるように、ショーやインスタレーションのレポートをお伝えしようと思う。なぜなら、ファッションはもっとも人に近いもので、だからこそ、時代や社会が服や小物、スタイリングなどに表象されているはずで、また、欧米のコレクションのように圧倒的な消費のパワーゲームに踊らされていない、けれども「消費偏差値」の高い人たちが住む東京で開催されるファッションウィークは、きっと他の業界のマーケティングのヒントがいっぱい詰まっていると信じているからである。
前置きはこのくらいにして、さっそくレポートを始めたい。