最高気温が16.3度、という春到来となった今年3回目の定点観測。アースカラー、トレンチ、ボロデニムなど、いろいろ候補はあがったが、実査前日までのプレサーベイの結果、「女性ゆるボトムス+スニーカー」をメインテーマとした。
少しファッショントレンドの流れを振り返ると、ここ数年、セリーヌやアクネをはじめとする「シンプル&ミニマム」なクリエーションが主流になっている。日本では、先日東京ファッションウィークでランウェイショーを披露したkbf、以前渋谷パルコのミツカルストアにてポップアップも行い、先ごろ表参道ヒルズにショップがオープンしたCLANE(クラネ)、そしてGUなどがこのグループで、リアルなマーケットを牽引している。
いわゆる欧米のラグジュアリーブランドのゴージャスなクリエーションよりも、日常的に着られて、無理のないデザインや価格であることに、そういった日常の豊かさを重視する価値観でもある「ノームコア」というトレンドが加わり、東京のストリートのスタンダードになっている。
一方、先ごろパリが終了し、東京でも本日終了した「コレクション」では、数シーズン前から「柄×柄」とか、「レイヤードスタイル」、「ミックス」など、デコラティブなスタイル提案がされているが、東京のリアルマーケットではさっぱり。定点観測のインタビューでも、いま改めて、ハイクとかヤエカ、GU、セレクト系のPBの人気が高まっており、毎シーズン変わることが当たり前になっている「ファッショントレンド」がなかなか浸透しにくい状況が続いている。
また、シンプル&ミニマム・モダン・ベーシックなトレンドは、そのデザインからも幅広い年齢層に支持されるので、より量的に多くの人が需要。ベーシックゆえの、見た目は同じようなファッションになっており、「ノームコア全盛」ともいうような状況になっているようだ。