実は、定点観測の歴史からみると、たいてい10月と3月に、その次のシーズンのマストレンドが一足先におしゃれさんの間でフッと浮上するという法則のようなものがあり、デニム素材のトップスやセットアップは、今春東京のストリートに増えるだろうなあ、と予測していたのだが、まさにビンゴ! まちに溢れ出していた。
観察してみると、ジャストサイズよりは若干大きめのもの、長めのもの、色落ちしたものなどが多いが、なかには襟のないものや、ポケットや裾などに変わったデザインが施されているものあるものもみられた。
定番の「ザ・Gジャン」とでもいうようなものはティーンズとコンサバ層に、ストーンウオッシュ加工が施されていたり、ドロップショルダーなどデザインが特徴のものは、ストリートモード系の人に着用されていた。なかでも、ティーンズは2人お揃いのGジャンルックだったりするケースも少なくなく、お手軽な春のジャケットスタイルとして、(おそらく)初めてのGジャンとして今春購入し、着用されていたようだった。
昨年までは、その前の冬のチェスターコートのトレンドが、春になり素材を変えて丈の長いショップコートやガウン、ローブのようなアウターが主流だったが、定番のトレンチコートは相変わらず多かったものの、今春はアウターの丈が短めで、軽快、アクティブなニュアンスへとシフトしていた。また、同時に昨夏大ブレイクしたガウチョパンツや太パン(太パンツ、バギー)の流れで、マキシ丈スカートやスカンツ(一見スカートなのかパンツなのか分からないほど裾が広いパンツ)など、ボトムスのボリュームが大きくなっており、ボトムスがボリューミーになった分、トップスはショート丈でバランスを取りたいというような心理も伺えた。