「あれ、案外冷える?」。家を出た時にはそう感じた天候も、渋谷の街に着くと人が多いせいか、意外と温かい。そんな毎朝着るものに困る今年の11月。昨夜までのプレ定点観測(プレサーベイ)の結果、第445回定点観測では、①ニット/スウエットを1枚で着るスタイル≒アウターなしと、②ヒョウ柄 ③ベストの3つをテーマに、観察とインタビュー、撮影を行なうことになった。
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それにしても早いもので今年の定点観測は今日と次回の2回! 昨年の同月(2017年11月)は、、と振り返ると、「女性モコモコ素材、うちモコモコアウター」、「コーデュロイ」、そして「ニットイン・スタイル/スウエットイン・スタイル」を取り上げていた!
当時一部のオシャレに敏感な層に支持されていた“ニットやスウエットをボトムスにインして着用するスタイル”が急増。そのバランスカンカクは外国人風(ファストファッションも提案していた)でもあり、若い世代が中心だったが、1年が過ぎ、じわじわ広がり、とうとう2018年11月、“イン”に限らず、ショート丈で“オン”するスタイルも加わって、カウントアイテム=マスのトレンドへと進化。なかでも、「ニット」を今月のメインテーマとした。
観察する対象の定義化はちょっと視点を変え、やや厚手だったりするニットやスウェットを着たいムード≒アウターを着ると隠れるしもたついたり、日中はやや暑い、ということから、“アウターなし”のニュアンスを加えるため、「プルオーバー」とした。なかには、アウトドア系のブランドのフーディのプルオーバーや、デザイナーズ系ブランドの深いVネックのウールのプルオーバーなどもいるので、すべてを含み、比較的暖冬な気候を背景とした“アウター・レス”な秋の装いに注目することにした。
先月(2018年10月)インタビューさせていただいた方のなかから、2名をピックアップ。トップスをインしていた左の女性は、オーストラリアからの観光客。レイヤードしたロングスリーブトップスをインして、ノーアウター。右は薄手のニットをデザインパンツにオンして、80sの定点観測で取り上げた「ズタ袋わしづかみ」さながらのモードな着こなしが印象的だった。
実際に路上で観察する時のシンプルな視点としては、「いろいろなデザインのニットを考察する」ということだろうか。今期は立体的な編み地や、デザインや布帛などとの切り返しのデザインのニットも多く提案されており、ちょっと前のコーディガン(カーディガン×コート)が流行した時とはちょっと異なり、ややデコラティブで存在感のあるニットが目立つ。
思えば春に「デザイントレンチ」や「デザインシャツ」を取り上げたが、今年は“ちょっとデザインされた服”が人びとの気分なのかもしれない。
実際に路上で観察する時のシンプルな視点としては、「いろいろなデザインのニットを考察する」ということだろうか。今期は立体的な編み地や、デザインや布帛などとの切り返しのデザインのニットも多く提案されており、ちょっと前のコーディガン(カーディガン×コート)が流行した時とはちょっと異なり、ややデコラティブで存在感のあるニットが目立つ。
思えば春に「デザイントレンチ」や「デザインシャツ」を取り上げたが、今年は“ちょっとデザインされた服”が人びとの気分なのかもしれない。
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ズームアップ1:ヒョウ柄/レオパード柄(対象は男女)
実は正式にズームアップとしてヒョウ柄を取り上げたのは2011年10月にまで遡る。
当時は00sのギャル&ギャルママ全盛で、その派手さのアイコンとしての着用スタイルが目立っていたが、その後、ジオメトリックや迷彩やチェック、花などの柄=パターンの一種としてモードの文脈に多用されるようになり、いろいろな素材開発やグラフィックデザインなどとも相まって、新しいヒョウ柄へと進化しているようだ。
ということで、靴やソックス、バッグ、帽子などいろんなアイテムで“ちょいヒョウ柄”という差し色カンカクの着用からグラフィック化された変わりヒョウ柄まで登場しているようだ。
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ズームアップ2:ベスト/スリーブレスアイテム
“デザイン〜”からのレイヤードカンカクだろうか。少し解釈を拡げて、袖のないアイテム=ノースリーブ/スリーブレス・アイテムを着用し、その下に着用しているアイテムが見えるスタイリングをしている男女に注目することにした。
過去の定点観測を振り返ってみると、キャミソール的なアイテムをベストのように着用して“デザインをプラス”していたのは今年の2人(写真左2点)で、それ以前は、ファーのベストや、アウトドア系のダウンベスト、フィッシャーマンズベスト、ランナーズベストなどがあるが、なんといっても市民権を得たのは、ユニクロ等のインナーダウンだろう。
さらに、近年は、HIDAKAなどのデザイナーズブランドからも、ベストのようなバッグや、ポケットが複数あしらわれたサスペンダーなど、“ウエアラブル・バッグ≒ベスト”(?)というようなアイテムも登場しており、来年に向けて増えそうだ。
さらに、近年は、HIDAKAなどのデザイナーズブランドからも、ベストのようなバッグや、ポケットが複数あしらわれたサスペンダーなど、“ウエアラブル・バッグ≒ベスト”(?)というようなアイテムも登場しており、来年に向けて増えそうだ。
春には、ノースリーブのトレンチコートも散見されましたが、ジャケットなどもスリーブレスのものも増えており(そう見えるデザインのものもリリースされている!)、“レイヤード・スタイル”と、“機能性”がキーワードといえそうだ。
ということで、2018年11月3日(土)に実施した第445回定点観測の速報は、11月9日(金)夜〜10日(土)に公開。インタビューは、11月16日(金)〜17日(土)に公開予定です。お楽しみに!
ということで、2018年11月3日(土)に実施した第445回定点観測の速報は、11月9日(金)夜〜10日(土)に公開。インタビューは、11月16日(金)〜17日(土)に公開予定です。お楽しみに!