NY在住の平凡な夫婦が、1DKのアパートメントでのつつましい暮らしの中で築いた世界屈指のアートコレクション。そこから1点たりとも作品を売ることなく、5000点近くの作品すべてをナショナルギャラリーに寄贈するまでを描いたドキュメンタリー映画『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』。2010年の公開から世界で数々の賞を獲得、日本でも全国50を超える劇場でロングランとなり、現在もなお各地で上映が続いている。
2013年3月に公開される続編『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』は、その続編。夫妻のコレクションが全米50州の美術館に寄贈される「50×50」というプロジェクトが全米規模に広がっていく過程を描いたドキュメンタリー映画である。
この作品は、製作と配給の費用をクラウドファンディングで募ったことでも話題となったが、日本では120日間で1,400万円を超える支援を集めることに成功した。寄付文化が根付かないと言われてきた日本で、現代アートを題材とする映画にこれだけの支援が集まったことは快挙と言っていいだろう。
この『ハーブ&ドロシー』2作品で監督とプロデューサーを務めた佐々木芽生さんは、ジャーナリストとしてハーブ&ドロシー夫妻との出会ったことをきっかけに、映画製作に携わるようになったという。この作品を通して、彼女がどのようにしてアートや映画に関わるようになったのか、語ってもらった。