ベルギーの高級チョコレートブランド「ゴディバ」が提案するニューコンセプトショップ「ゴディバ ショコイスト原宿」が1月23日、原宿の明治通り沿いにオープンした。
チョコレートが溶けるユニークな外観が目を引く同店は、1階がテイクアウトのフロア、2階がイートインスペースになっている。「ゴディバ ショコイスト」の店舗では日本初のイートインスペースを併設。店内では手軽なバータイプの「バーチョコレート」(588円〜)や粒タイプの「フルーツ&ナッツ(693円〜)をはじめとするチョコレートライン「ショコイスト」を中心に、チョコレートドリンク「ショコリキサー」(525円〜)、アイスクリーム(全5フレーバー・420円)等を販売する。
「『ショコイスト』のコンセプトは”セルフトリート”=自分へのご褒美。日常のちょっとした贅沢を提案する、ご自分用・ご自宅用のチョコレート製品を扱うショップです」と話すのは、ゴディバ ジャパン広報担当の埋田さん。
ゴディバ ジャパンは1972年より全国の百貨店を中心に235店を展開しており、いわば高級チョコレート店の先駆け的存在。コアターゲットは30〜50代の女性で、主にギフト用として全国の幅広い世代に支持されてきた。しかし近年は安定感がある一方で、”お母さん世代のブランド”のイメージになっていたという。若い層でも手の届く新しいラインとして2007年に「ショコイスト」を発売した。チョコレートドリンクの「ショコリキサー」やアイスクリームなどを販売する小型店舗の新宿駅西口店での成功をきっかけに、新しい業態店舗の「ショコイスト」の展開が決定した。
5店舗目となる原宿店は、初の大型路面店。チョコレートをゆっくり味わってもらいたいと、イートインスペースが併設されている。
客層は20〜40代が中心で、男女の割合は2:8。ラフォーレ原宿や、オープン以来行列が続いているSPAショップH&Mの向かい側という好立地もあり、ショッピングの途中に立ち寄る人が多い。また、外国人、特にアジア圏からの観光客も多く、周辺に大人向けのカフェが少ないことから、サラリーマンの利用も目立つ。
原宿の中心地という場所を選んだ理由は、人通りが多い大通りの路面店を都内で探した結果、最適な場所だったためという。平均単価が2,000〜3,000円代という従来のゴディバショップに比べ、600円〜800円の商品がメインのショコイスト店舗は集客数の多い場所選びが必須だったのだそうだ。
内装のデザインを手掛けたのは、国内外で幅広く活躍している「ワンダーウォール」の片山正通氏。「伝統と革新の出会い」をコンセプトに、”チョコレートが溶け始めた瞬間”をイメージした遊び心溢れるデザインが特徴だ。重厚な雰囲気の落ち着ける空間で、大人の男性にも好評。店内は計39坪で、イートインスペースの席数は27席。テラス席も12席用意している。
同店オープンの背景には、昨今のチョコレート市場の拡大が大きい。近年はピエール・マルコリーニ、ジャン・ポール・エヴァンなど、世界の有名ショコラティエが日本に進出。バレンタインシーズンには、世界中からのチョコレートが集まった新宿伊勢丹の「サロン・ドゥ・ショコラ」など、高級チョコレートが”日常の贅沢品”として人々に定着してきている。
近年の高級ショコラティエの登場によって、ゴディバの売り上げも上がっており、チョコレートの市場全体が拡大しているといえる。洋菓子の中でも、チョコレートは日持ちがし、贈答、自家用ともに購買の機会は増えているそうだ。
さらに、近年は高級チョコレートを自分用に買う人が増えており、一年で最もチョコレートの需要が多いバレンタインにも”自分チョコ”のニーズが拡大しているそう。ゴディバでも、1粒1,500円のチョコレートをバレンタイン商品として発売したところ、「本命チョコ」が売れる2月上旬前には完売したそう。そういったことからも「自分用」に購入した人が多かったということが分かる。
今後は「ショコイスト」業態店を、各都市の駅ビルや通行量の多い商業施設を中心に展開していく予定。
同店の開店を記念して、原宿店限定のホットチョコレートドリンク「ホットショコリキサー キャラメルシナモンマシュマロ」550円(220ml)を3月31日まで限定発売している。こちらは、ホットショコリキサーにキャラメルとシナモン、マシュマロをプラスした、濃厚な味わいの人気商品。手軽に贅沢な気分を味わえるチョコレートドリンクの数々は、原宿の新名物になりそうだ。
[取材・文/渡辺満樹子(フリーライター)+『ACROSS』編集部]
レポート
2009.03.23
フード|FOOD
ゴディバ ショコイスト 原宿
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