相変わらず個人オーナー系の個性的な飲食店が続々とオープンしている渋谷・神山町。そのなかほどにある渋谷クレストンホテル裏手に佇む、わずか5坪のカフェ&バー「ME ME ME(ミーミーミー)」は、夜12時までコーヒーやお酒が楽しめ、雑貨や洋服なども販売している。
オープンは2011年3月3日。オーナーを務めるのは、晴(はれる)航平さん(33歳)。晴さんはアメリカ・ポートランドの高校に留学・卒業した後、20歳のときに帰国。沖縄で通訳に携った後、21歳で上京し、家具店や古着屋を経て、ジャズクラブ「BLUE NOTE TOKYO(ブルーノートトウキョウ)」などを展開する(株)ブルーノートジャパンに入社。店舗接客や海外アーティストのアテンド、営業などに従事したそうだ。その後、アパレルの営業を経て、2008年にオープンした神山町のバー「STAND S(スタンドエス)」の立上げに参画、接客や調理などに携わった。
出店のきっかけは、晴さん自身が毎日通いたいと思う店、つまり夜でもコーヒーが飲めて、お酒もご飯も楽しめて、洋服も買える、特別な雰囲気の店が無かったから。それならば、自分でその店舗をつくろうと独立したそうだ。ファッション好きであることや、店主と客が会話しやすい飲食業にも魅力を感じていたこともあり、双方を取入れた店舗をスタートすることにした。
「日本で接客というと、“もてなす”ことが主流ですが、“もてなす”ことはお客様ニーズに合わせてサービスを変化させるので、受動的で流動的な印象です。一方、“エンターテインメント”は、独自のカラーを持ってそれを提案し、相手を楽しませること。僕は今のような時代だからこそ“エンターテインメント”を提供するお店でありたいと考えています。高度成長期以降、物が溢れていても心は満たされていない時代だと思います。心を満たせる、人の感受性を育てることができるお店をやっていきたいです」(オーナー/晴航平さん)