もの余りの時代、暮らしから余分なものをそぎ落とす「断舎離」のブームは記憶に新しいが、そういった「デトックス」ブームはいま、美や健康を意識した“食”にも波及している。『ELLE JAPON』最新号(12月号)では「検証:私たちは食べ過ぎている!」と題し、老化の促進を防げるとした小食美食特集が組まれているように、メディアでも体や食のデトックスをテーマにした特集が頻出。特に今年は、仲里園子さん、山口蝶子さんによる姉妹ユニットが火をつけたグリーンスムージーに代表される、野菜や果物でデトックスできるヘルシードリンクが大人気に。ジュースショップのオープンラッシュも続いている。
そんななか、今年7月、東京・青山に100%ロー(生)のフレッシュジュースを提供するジュースバー/カフェ「Sky High(スカイハイ)」がオープンした。ジュースはスムージーに比べて、栄養価の吸収がスムーズだとか。オーナーは、『VOGUE JAPAN』など第一線でファッション・ビューティー系のフォトグラファーとしても活躍するMami Keenanさんだ(mamiさんのHPはこちら)。
コンセプトは、質の高い食事をファストフード形式で提供する、いわゆるクイックエナジーチャージ。通常の野菜の2倍の栄養価を持つとされている厳選したオーガニック食材を使用する、400mlとビッグボリュームのジュース(800円〜)をメインに、スムージー(750円〜)や、野菜たっぷりのサラダ、ヴィーガンマフィン、ベーグル、ローチョコムースのデザートといった、ナチュラルで体に良いものを厳選して提供する。動物性のものは一切使用していない。
「Sky High」のドリンクは、一般のスムージー/ジュースのように水で薄めないため、野菜や果物の味や香りを存分に味わえ、まるで「野菜を食べている」ような満足感を得られるのが特徴だ。もちろん栄養価も高く、主力であるジュースは、容量(400ml)の倍の重量(800g以上!)、スムージーの10倍の量(!)の野菜や果物から絞るというから驚く。
なかでも、日本初の「コールドプレスジュース」(1,500円〜)は、「ノーウォークジューサー」というコールドプレス(低温圧搾)機を使用し、熱をかけず1杯15分かけて絞るスペシャルジュース。鮮度が落ちにくくアメリカでは2〜3日保存できるといわれている。
mamiさんは13年間のアメリカ生活を経て、2006年に帰国。その時に感じたことが、今回のオープンのきっかけとなる。
「帰国してすぐ覚えた違和感は、日本はアメリカと違って、ベジタリアンが満足できる飲食店がないということです。アメリカには街のいたるところにジューススタンドがあるし、レストランではビッグサイズのサラダが食べられるのに、日本ではそれらがどこにも見つけられなかった。野菜をきちんと『食事』として摂取できるお店があったらいいのに、と思っていました」(mamiさん)
マクロビに精通する家庭で育ち幼少期からベジタリアンだったmamiさんにとって、野菜やオーガニック食材はもともと馴染みの深いもの。アメリカ在住時には独学でローフードやヴィーガン料理を取り入れていたが、美味しく食べられるグルメとしてのベジタリアン料理を学びたいとの思いからアメリカのローフードシェフスクール「リビングライト」に通い、公認シェフも取得した。