tokyo salonard cafe:dub

tokyo salonard cafe:dub

レポート
2004.10.27

カフェ店内。昭和の家具を多用しており、
ほの暗い店内はどこか懐かしい雰囲気。
約3坪のギャラリースペース。
取材時は段ボールにイラストを描く
ペインター若山絢さんの作品展を開催。
ライブラリー機能を設けたサロンスペース。
アートブックを中心に約500冊の書籍が
取り揃えられている。
同店が出店したのは築50年以上経つ、
この界隈で一番古いビル。
「大衆パブ 山形」の黄色い看板と「雀荘」の
赤い看板が目印。
雀荘を改装したloger cafe(渋谷区恵比寿)や、民家を改装したカフェシアターCINEMA PIECE(キャットストリート)など、これまで数々のリノベーションを手がけてきた(株)リノベーションプランニングが、昨年閉館したストリップ劇場、渋谷OS劇場跡の物件に着手。7月23日、同社が企画・デザインを手がける新しいカフェtokyo salonard caf : dub(トーキョー・サロナード・カフェ ダブ)としてオープンした。

場所は、東急プラザ裏手にある築50年以上の雑居ビルの2階部分。それまで銀座で営業していたGallery Conceal(ギャラリー・コンシール)も同じフロアに移転し、サロンを併設してのリニューアルオープンとした。

「01年12月から銀座でギャラリー・コンシールを運営していたんですが、とうとうビルが取り壊される事になったんです。移転先を探していた時にこの物件に出合いました。まとまった広さがあることと、元ストリップ劇場というハコの経歴に魅力を感じて出店を決めました」(リノベーションプランニング・高橋さん)。

昭和初期に建てられた古い建物を活かし、カフェ、ギャラリーともに白を基調としたシンプルな内装で統一。アンティークの扇風機やランプが配置された店内は、同社が得意とする“どこか懐かしい雰囲気”に仕上がっている。

料理は洋食中心で、ランチは850円〜。ディナータイムのフードメニューは約40種と充実しており、お酒のメニューも豊富。広さは50坪45席。店内にはDJブースも設置されており、イベントも行える。

ギャラリースペースは約3坪。写真や絵画を中心に、様々なジャンルの展示を隔週で開催している。ギャラリーの隣には約3坪のサロンを設置。さらにサロンスペースには、これまで展示を行ったアーティストの作品集やアートブックを取り揃えたライブラリーコーナーも設けられている。

「テーマはLab(実験室)。カフェもギャラリーもコンセプトを決めず、自由にやっていこうと思っています。このあたりは24時間営業の居酒屋が立ち並ぶ昔ながらの盛り場。昼間は人通りが少ない猥雑なエリアですが、カフェやギャラリーを作ることで、若い人も来てもらえるように変わったら面白いですね」(高橋さん)。

建物をリノベーションすることを通して、街にちょっとした活気をもたらそうとする同社の試みは、このところ続く巨大資本による大型の都市再開発とは異なる、等身大の街の再生活動といえるだろう。

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