OmtRak Cafe(オムトラックカフェ)

OmtRak Cafe(オムトラックカフェ)

レポート
2006.01.27
フード|FOOD

カフェでの人気メニューをきっかけにスタートした
オムライスの移動販売が、ついに単独で路面店を出店!

入り口に設けられたテイクアウトコーナーには
行列ができることも。
レギュラーメニューのチキントマトソース
(630円)。
スタッフのわきあいあいとした雰囲気も魅力。
恵比寿の喧騒を忘れさせてくれるような
落ち着いた空間で、ひとりでもゆっくりと
食事を楽しめる。
縦長の店内は12坪。オープンキッチンの奥には
18席のカフェコーナーを設置している。
恵比寿西1丁目の五叉路のほど近くにある「オムトラックカフェ」は、オムライスを中心としたメニューをテイクアウトとイートインで提供する「ネオファストフード・ショップ」である。
オープンしたのは05年9月。トラックでの移動販売店「オムトラック(OmtRak)」を運営していた(有)7RAYZ(セブンレイズ)が手がけるオムライス専門店としての初の路面店だ。

コンセプトは、“気軽でかわいいちょっといいもの”。20〜30代の女性をメインターゲットに捉え、手作り感あふれるカフェ風の内装と、黄色い看板がポイントとなったインパクトのある外装を施したのだそうだ。

強火で手早く仕上げたふわふわの卵と、深みのある個性的なソースが見事にマッチしたオムライスは、月替わりで12種類。注文してからオムライスを提供するまで数十秒(!)というファストフード並みのスピード感から、既に近隣のアパレルや美容師、カフェの店員などが常連客となっているという。

オムライスの移動販売を始めたきっかけは、同社が01年に早稲田にオープンしたカフェ「ル・カフェ・レトロ」での人気メニューだったころまで遡る。

「『ル・カフェ・レトロ』のお客さんは、週1回程度仕事の都合で早稲田に来る方も多く、会社に戻った時にも同店のオムライスが食べたい、デリバリーして欲しいという要望が数多く寄せられたんです」と言うのは同社の取締役社長、松吉輝明さん(36)。

早稲田という場所柄、学生の休みの時期には売上が落ち込むこともあり、その時期を活用しようと04年からオムライスの移動販売をスタート。「オムトラック」はオムライスとアメリカの鉄道“アムトラック”を合わせた造語で、学生時代に松吉氏がパックパック旅行でアメリカを一周した思い出を込めて名付けたのだとか。1号車は、強火で一気にオムライスを作れるようにコンロを工夫するなど、試行錯誤の末に自分たちで完成させたという。当時はちょうど「ネオ屋台ブーム」だったこともあり順調に売上を伸ばし、現在は3台が大手町、渋谷、中目黒などのランチタイムを巡っているそうだ。

「今回、路面店をオープンするにあたり、お客さんとの繋がりを深めたいという気持ちがありました。オムトラックで培われた顔馴染みのお客さんとのコミュニケーションを、店舗でも築いていきたいと思ったんです。また、お客さんやアルバイトのスタッフには音楽やアートなどのクリエイティブな活動をしている人も多く、彼らに発表の場を提供しようという狙いもあります」(松吉さん)。

店頭とホームページで新進気鋭のアーティストたちを週代わりで紹介していこうと、同店のオープンと同時にプロジェクト「Fluffy and Arty(フラッフィ&アーティ)」を始動。ちなみにネーミングは、ふわふわ(Fluffy)卵のオムライスと、アーティスト(Arty)の卵による造語だそうだ。

「若手アーティストというのは、感覚が優れた人に見出され育ててもらうことが必要です。恵比寿はギャラリーも多く、音楽やファッション、アートへの感覚が鋭いお客さまが集まる場所なので、出店する際にはこの街にこだわりました。今後は、『オムトラックカフェ』で紹介したイラストレーターやミュージシャンたちが、ここで出会いコラボレートしたり、新しいカルチャーの発信地として皆で盛り上げていってほしいですね」(松吉さん)。

01年の「ル・カフェ・レトロ」開業から、「オムトラック」の成功、そして「オムトラックカフェ」のオープンとスピーディに事業を広げてきた松吉氏。その根底にあるのは、「オモシロイことをやりたい、自分が楽しむことがいちばんのモチベーションにつながり、わき目を振りまくりながら、前に進みたい」というポリシーのようだ。スタッフとのミーティングが脱線して、次のアイデアが生まれることも少なくないとか。今後は下北沢や三軒茶屋、高円寺などへの出店も検討している。

また、2月初旬には同店をオムライスをメインとしたダイニングカフェへと移行する予定で、カクテルを中心としたアルコール類やカフェドリンクメニューを充実させ、夜の需要にも対応していきたいということだ。


〔取材・文/本田亜友子+『WEBアクロス』編集室〕

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