メルボルンでCIBIを始めたのは今から10年前のこと。
「CIBIはライフを楽しくするコンセプトストアですね」と田中さん。
Head(クリエイティビティ)、Hands(手仕事)、Heart(心を込めた料理・サービス) をデザインテーマとし、人びとの毎日を楽しくするのがCIBIのミッションと言う。
素敵な空間、美味しい食事、使うたびに気持ちが豊かになるようなプロダクトがCIBIにはある。プロダクトの取り扱いに関しては、日本の素晴らしい技術でものづくりをされてるメーカーのデザインプロダクトを紹介したいという気持ちで、柳宗理のカトラリーや、白山陶器、かまわぬの手ぬぐいなど取引先を1社1社自ら開拓していったのだそうだ。毎日の一部になり豊かさや喜びをさりげなく演出してくれるようなグラスやバッグなど、CIBIオリジナルデザインのプロダクトも好評だ。
フードディレクターの奥様の恵美さんが手がける料理の数々は、和の繊細さと西洋のエッセンスをミックスしたオリジナルメニュー。サラダのドレッシングに味噌が入っていたり、西洋人から見たらどこかに和を感じるテイストだ。メルボルン本店で週末限定で出している、バランスが良く健康的な”ジャパニーズブレックファースト”が地元の方たちに大人気だそう。
CIBIのレシピやフードフィロソフィーをまとめた書籍『CIBI COOK BOOK』も今年出版された。まずは4月にオーストラリアと日本で同時リリースされ、7月にロンドンでの取り扱いがスタートし、先日リリースパーティを開催したところだという。アメリカでは11月に発売が予定されているそうで、“CIBIスタイル”の料理が世界的に広まっていきそうだ。