10月1日、渋谷・桜丘町のセルリアンタワーの裏手に、バー&レストラン『Lo-d(ローディ)』がオープンした。
「このところのマスマーケティングとはかけ離れたところで、個人オーナーらしいバーをつくりたかったんです」と言うのは、同店オーナーの谷陽一郎さん。
学生の頃から、将来はお酒関係のビジネスに携わりたい、と思っていた谷さんは、大学卒業と同時に洋酒の輸入・卸を手がける企業に就職。約7年ほど勤務した後、西麻布の「b」や青山の「b'」などでの修行を経て、独立。第1号店をオープンしたというわけだ。
同店はグリーンと白が基調。天井が高く、開口部が地下からの吹き抜けとなっているため、落ち着いた雰囲気ながらも開放感がある「渋谷らしくない」空間に仕上がっている。
「メニューは限りなくシンプルにしたかったんです。バーでは何百種類ものカクテルやお酒をお出しできるのは当たり前のことなんです。お料理もお酒も、ホールやカウンターの人間がそれぞれのお客様の好みに個別に対応する、というのがポリシーです」(谷さん)。
接客に関しても、あえてマニュアル化はせず、それぞれのスタッフのパーソナリティを生かしたサービスを心掛けているのだそうだ。
「学生の頃にバーでのアルバイトの経験があったのですが、いざ改めて修行を始めてみると、そんな過去の経験のすべてが壊されましたね。サービス業としてのプロフェッショナリズムを一から叩き直されました(苦笑)」(谷さん)。
この1〜2年、ゴージャスな内装や奇をてらった業態やシステム、クリエイティビティ溢れるメニューなどの凝った飲食店の登場が目立つなか、この『Lo-d』のように、スタンダードなお酒やお料理とパーソナルなサービスなど、フツーなものが返って魅力的な戦略に思える。外食産業も、実はそんな揺り戻しの時期に入っている、のかもしれない。
■Lo-d
東京都渋谷区桜丘町30-3 カヲリビル1F
phone:03-3464-1722
bar Lo-d
レポート
2002.12.21
フード|FOOD
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