原宿・竹下通りのセレクトショップ「Faline Tokyo(ファリーントウキョウ)」は、2004年2月のオープン以来、Jeremy scott(ジェレミースコット)や、Marjan Pejoski(マラヤンペジョスキー)、KTZ(ケーティーゼット)やKSUBI(スビ)といった個性的なデザインのインポートブランドを取り扱っており、ここ数年台頭している、極端に派手な色や、ドーナツや電話の受話器など一風変わったモチーフの“変柄”のアイテムを取り入れた「80’sミックスのデコラティブスタイル」を牽引してきたショップのひとつである。
同店のオーナーmari(マリ)さんは、1992年、名古屋市緑区鳴海にFaline(ファリーン)をオープン。現在はメンズ中心の「Bambi」(鳴海)と、レディースのFaline+(ファリーンプラス)(矢場町)、Faline Tokyo(原宿)の4店舗のセレクトショップを経営している。
そんな同店が、オープン5周年を記念して、2009年2月14日(土)、ショップでパーティーを行うというので「不定点観測」を実施した。
20時にショップでのパーティーがスタート。20時30分頃から徐々に人が集まり始め、あっという間にショップの前は大勢の人だかりに。ショップスタッフが口コミやブログ、mixi(ミクシー)、myspace(マイスペース)などで告知を実施し、来場者は同店の顧客やファンが中心。来場者にはシャンパンが振る舞われ、約100人の人々で賑わった。
さて、来場者のファッションはというと、男女ともに同店で取り扱うブランドの今シーズンのアイテムを着用しているケースが多く、奇抜な柄やデザインのアイテムを多数取り入れた、個性的なドレスアップスタイルが多かった。また、古着や安価なSPAブランドの新品アイテムを自分でクラッシュ加工したり、リメイクしたというボロボロのアイテムを着用する男女が浮上しているのもポイント。「マイケル・ジャクソン」や「エンジェル」など、テーマを決めてそのキャラクターを演じていたり、友達同士でおそろいのコーディネートをしている人も少なくなく、過去に「galaxxxy(ギャラクシー)」「Candy(キャンディ)」などのパーティーで不定点観測を実施した時と同様に、コスプレ感覚で着こなしているケースも多かった。
また、ヘアメイクもかなり個性的で、男の子にはプラチナブロンドの直線的なおかっぱやマッシュルームカット、サイドを刈り上げたツーブロックヘアなど、構築的なヘアスタイルが人気。一方女の子は頭にリボンやチェーン等のヘッドアクセサリーを付けたりと、頭まわりのアイテムをプラスするデコラティブなおしゃれが目立った。
インタビューしてみるといずれも「人とかぶるアイテムが嫌い」「個性的でとんがったスタイルをしたい」「お決まりのファッションにならないように注意している」などという意見が聞かれた。また、過去に取材した不定点観測に比べて、遠方から来ていたり,若年者層が来店しているのも特徴。10代後半〜20代前半のコアなファッション好きが集う一方、中には母親と一緒に来場する中高生もいたりと、ティーンズの憧れのショップになっている様子が伺えた。
08年あたりから、東京のストリートではファッションの脱エレガント化が進行。そういった背景からか、08年夏頃から一部若者の間で80年代風の奇抜な色や柄、デザインのアイテムを着用するスタイルが浮上している。ポイントは、同店で取り扱っているゲイのファッションデザイナーのブランドのように、はじけるように楽しく、ポップでナンセンスなデザイン。さらに09年に入ってからは、それらに自分でリメイク、カスタムしたアイテムをミックスするスタイルも浮上している。そんな“トーキョー・ポップ”スタイルがこの春、さらにボリューム化しそうだ。
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脱エレガント化を牽引する竹下通りのセレクトショップ「Faline Tokyo」5周年パーティーに潜入!!
[取材・文/『ACROSS』編集部]
[撮影/阿部智将]