cafe gabowl

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レポート
2003.04.30

アースデイマネーは、50rと100rの2種類。
大きさは切符程度。
手前が「白馬村の野沢菜」(500円)。
奥の「紀州梅とじゃこのごはん」(750円)
にも野良しごとで収穫された麦飯が
使用されている。
4月22日の「川遊び×SHIBUYASCAPE
クロージングパーティ@cafe gabowl」に
参加していたアーティストグループ
「フェロモン」のメンバー。
彼女たちの活動は左記サイトを参照。
渋谷警察署のならび、六本木通り沿いにある築45年のビルの地下に、1月15日、『cafe gabowl』がオープンした。

内装はいたってシンプル。天井に設置されたミラーボール以外、装飾品はほとんどなく、約42坪というフロアに不揃いなテーブルとソファがポツリポツリと置かれている。もちろんインテリアはすべてリサイクルだ。

と、ここまでは、渋谷界隈に続々と誕生するカフェとそう違わない。しかし、同店の特徴は、NPO団体アースデイマネー・アソシエーション(以下edma)が企画・運営する地域通貨「アースデイマネー(通貨単位:r)」が利用できることだ。それもそのはず、実は、同店のオーナーの鈴木達也さん(28)は、edmaの理事なのである。

「アースデイマネーの営業活動でカフェをまわっているうちに、自分たちの場所が欲しくなったんです。出店するなら活動の原点である渋谷川沿いにと思って探したら、この物件に出会いました」(鈴木さん)。

edma は、01年10月、代表を務める池田正昭さん(博報堂発行の雑誌『広告』元編集長)をはじめとするスタッフ5名でスタート。同じ理念のもとに集まった個人による組織だが、法律・税制面については(株)日本総研のバックアップを受けている。

アースデイマネーは、1.渋谷川の緑化や清掃活動に参加する(1時間につき500r支給)か、2.同店やギャラリーLE DECO、カフェECRU、そしてcafe gabowlに常設されたBANKという窓口を通じてedmaに活動資金を寄付することにより入手できる。レートは1r=1円。同通貨はカフェやアパレルなど約30店舗の加盟店で代金の一部として利用可能だ。

03年4月現在、加盟店店頭で利用されたアースデイマネーの総額は約60,000r。アースデイマネーの参加者の累計は約1,500人に達したという。

「この結果には満足していません。もっと多くの人に知ってもらいたいし、実際に使って欲しい。だからアースデイマネーを使う場所を自分たちで作りました。難しいことは考えず、まずは割引券のような感覚で気軽に使ってもらいたいですね」(鈴木さん)。

興味深いのは、フードメニューに「アースデイマネー協賛農家」の食材を使用することにより、地域通貨を利用した取引きを成立させている点だ。edmaが(株)日本総研とともに行っている都市・農村交流プロジェクト「野良しごと」(専用WEBサイトまである!)の成果物である、長野県白馬村の野沢菜畑で収穫から漬け込みまで行った「白馬村の野沢菜」(500円)は同店で味わえる。

「客層は大学生やビジネスマンのかたが中心ですね。大学生の方は僕たちの活動に興味を持ってくださるし、ビジネスマンの方も理解を示してくださいます。アースデイマネーは円と違って貯めても利子がつくわけじゃないから持っているだけじゃ意味がない。使って、流通させて、初めて価値が生まれるものなんです。そのことをここを通じて広めていきたいですね」(鈴木さん)。

ちなみに、edmaではアースデイマネーが使えるイベント『「r」の使えるサイレントシネマライブ』を、cafe gabowlにて不定期に実施。4月29日に開催された同ライブ第3弾「マンガ映画祭り」では、雑誌『ソトコト』が運営する「スローマネー」での支払いも可能にした。

「渋谷川沿いのシブサン(渋谷三丁目)エリアに点在するいい感じのカフェで使える通貨としてスタートした1年目がversion01なら、02年4月22日のアースデイ以降はversion02。使用できるエリアの拡大に努めました。そして現在はversion03。少しずつではありますが着実に次の段階に進んでいます」(edma代表・池田正昭さん)。

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